2013年3月26日火曜日

ソロモンの花


春を感じるようになったので、久しぶりに草むしりをしている。
昨年の夏、秋と教会周りの雑草は一掃したはずだったのだが、自然の生命力は凄まじいもので、冬眠していた間に一面雑草、である。

この冬は信じられないぐらい寒かったはずだ。
それが気がつけば、ずいぶんと暖かくなっている。わからないものだ。
聞くところによると、松山でも各所で桜が満開になろうかという勢いで咲いているらしい。
これは、塾に来てくれている生徒や、教会で練習をされている合唱団の方からの情報だ。

実は私は、それほど桜が好きではないし、花見にも興味がない。そもそも友達がいないし、花見になど決して行かない。
じゃあ、家族でも連れて行けばいいじゃないか、という意見もあろうが、これがまったく気乗りしない。
むしろ、紫がかった白い花が、名もわからないのだが、庭一面に咲き誇っているのに気づき、驚かされたのが、かえって気持ちいい。
洗濯物を干すついでに見る、といったぐらいのことで、それほど熱心なわけでもないのだが、見る都度、可愛いものだな、としみじみ感じ入るのだ。

そこで私はこれを、ソロモンの花、と名づけた。
箴言に由来する、ソロモンなのだが、これはわかる人にしかわかるまい。この花の咲き方には、人を励ます優しさが漂っている。
おそらく私がいなくなった後も、このソロモンは、春になると咲き乱れるだろう。世間が花見だといっている季節になると。

そのとき、この花の存在に気づき、励まされる誰かがいる、と想像してみるのだ。
こういった春の味わい方が、じつに私らしくていい、と考えている。
ソロモンの花。いいネーミングである。

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