2012年4月17日火曜日

ふたたび英文法のはなし

前回に引き続き、ペーパーバックを読み進めていってみます。
4人の兄弟姉妹が疎開で送られた、老教授宅にての描写。


He himself was a very old man with shaggy white hair which grew over most of his face as well as on his head, and they liked him almost at once;


黄色でマークしたところ、形容詞句の most of と副詞の almost は、高校生がよく間違えるところです。意味は「ほとんど」だからといって、修飾できるものが違うだけど、何気なく意味だけ知ってるから読めるけど、英作文になると混乱して使っていることが多いのです。

また、赤でマークした A as well as B 「Bと同様にAも」だとか、at once 「すぐに」といった必修熟語が出ているのも目に付きます。

文法的には、関係代名詞の which の先行詞が何で、関係詞節がどこまでなのか、といったあたりに留意しなければなりません。


セミコロンに続いて、直後の文。


but on the first evening when he came out to meet them at the front door he was so odd-looking that Lucy (who was the youngest)  was a little afraid of him, and Edmund (who was the next youngest) wanted to laugh and had to keep on pretending he was blowing his nose to hide it.


この一文をみて、すらすら読める高校生はどれぐらいいるんだろう?

すらすら読めるんだったら、大学受験に向けて、センター試験なんかはまず大丈夫な生徒だろうと、僕だったら感じるのです。

しかし、これまで指導してきた経験上、これぐらいになるともう完全に行き詰ってしまう生徒は多いし、なんとなくの想像力で読もうする子は出てきます。

実際、同業の指導者だったら、この一文の中に、3,4ヵ所は「しっかり説明しとかないと」と思う用法が含まれているのにすぐ気付きますから、授業のテキストで使うとしたら、時間をかけて説明したくなる文章だと思うはずです。

on the first evening 前置詞の使い方。in the evening との違い

so ~ that ・・・ 構文。「非常に~なので・・・」

the next youngest 最上級の応用。「二番目の~」。the second largest とかでよく習う

keep oning 動名詞の語法で頻出



C. S. Lewis のナルニア国ものがたりは、原文になった途端、小学生向けの愛すべき童話から、高校生向けの本格的英文に化ける怖さがあるのです。

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